魍魎の匣 感想

この歳になって初めて京極夏彦の小説に手を出した。

きっかけは書店においてあった分厚い本。

昔から厚いなあとは思っていたが、今回の新作「鵺の碑」は更に分厚かった。

ということで初心者の僕はとりあえず姑獲鳥の夏を読み始めたのだ。流石に最新刊から読み始めてもしょうがない。ジョジョを9部から読み始めるようなものだ。(9部は一応読めないこともないが)

読んでみると、これがなかなか面白い。

どことなく不気味なのだがそんなにグログロしくもない。謎が謎を呼んでいるうちに後半に一気にスッキリする感じにすっかりハマってしまったのだ。

そんなわけで読み始めた第二作の魍魎の匣。

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魍魎の匣 感想

昔の本なので今更ネタバレを気にしてもしょうがない。

読んで振り返ってみれば、偶発的な事柄が色々と噛み合ってしまい、不幸な事件が起きてしまった・・・っていう感じの話だった。

普通はその発想にはならないのでは?という人物が多数登場するが、それに突っ込み始めたら京極夏彦の小説は読めないんだろうな、と二作目にして思った。

物語の随所に地方ごとの伝承や習慣などの背景が描かれる。正直僕はそのへんの知識が乏しいので訳が分からないが、覚えておくといつか役に立つかもしれない。

そして呪術系の話もよくでてくるので、どこかで聞いたような単語がポロリと出てくる。

十種をトクサと読んだり、布瑠部由良由良が出てきたときはおお、と思ったりした。

そもそも日本の漫画は妖怪や呪い、死神、忍者など日本モチーフのものが多い。

ラノベにしたって物語シリーズなんかは怪異がよく登場するし、岸辺露伴シリーズも怪異や妖怪は多い。

そう考えれば、こういう妖怪や怪異をモチーフにしたミステリーはそんなに遠い存在ではない・・・と思う内容であった。

作中描写に関しては、絵ではないからこその生々しさがあるため、それによって好みが分かれるんだろう。姑獲鳥の夏は平気だったが、魍魎の匣は正直僕は苦手な部類の内容だ。(あまり行き過ぎた医療行為というものは好きではない)

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魍魎の匣 まとめ

本の分厚さ故に敬遠する人も多いが図書館では分冊文庫版が置いてあったりするため、さわりを読んでから判断してもいいだろうなとは思う。

さて、次は「狂骨の夢」である。

これも話を忘れないうちに書かないと。