岸辺露伴は動かない D.N.A 漫画版の考察と比較

岸辺露伴シリーズの中でもやや毛色が違うこの話。

それもそのはず。

これは月刊マーガレットに短編として載ったという経緯があります。

マーガレットは女性向けの漫画雑誌ですね。

そういえば、女性向けの漫画雑誌で週刊の雑誌ってないですよね。あれ、何なんでしょうね?

りぼんもチャオもなかよしも花とゆめも月刊です。何か理由があるんですかね。関係ないですけど、神風怪盗ジャンヌなつかしいなあ。

この話は2020年の年末には実写ドラマ化もされました。

恥ずかしいことなのですが、岸辺露伴は動かないの2巻を買うのをすっかり忘れていた僕は実写ドラマがD.N.Aの初見だったといういきさつがあります。

まあ、初見だったからこその感想が書けたと思えばそれはそれでいいんですけどね!

岸辺露伴は動かない 実写版 D.N.A. ネタバレ感想

遅ればせながら漫画版もしっかり読んだので、感想と比較をしていきたいと思います。

この先ネタバレを含みますので未読の方はご注意ください。

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岸辺露伴は動かない D.N.Aのテーマや登場人物

岸辺露伴は動かない D.N.Aのテーマは?

DNAという遺伝子的なものと、運命というものを絶妙にブレンドさせたテーマがあるんじゃないかと思いました。

露伴の話って運命は自分で切り開く的な話があったりするんですよ。じゃんけん小僧の時もそうだったんですが・・・

今回の話は露伴はあまりストーリーの根幹に関わってはいません。(実写版では絡んでましたが)

関わったといえば、ヘブンズドアーでの書き込みを一切しなかったということが重要な要素になります。

岸辺露伴シリーズは「何を書き込むか」が重要になってくるシリーズですので、何も書き込まないという展開は珍しいですね。ただ、露伴も基本的には勝手に読むことはあっても必要以上の書き込みはしないというポリシーがありそうなので、基本からは外れていないと思います。

あと、少し変わった個性を無理に治そうとするな。親が自分の価値観で「普通」を押し付けるんじゃない。という荒木先生のメッセージもなんとなくこめられているような気がしますね。

登場人物とドラマとの相違点

まず、山岸由花子が登場する点でしょうか。

マーガレットに出演するのにふさわしい4部のキャラと言えば確かに由花子さんかもしれません。

4部の時はポコチンとか言ってるプッツンキャラだったんですけど、今回はおとなしい。

露伴をひどいとか気難しいとか言ってますが、広瀬康一くんを夜中に拉致して監禁してた女が何を言ってるんだ・・・と昔からの読者としては突っ込まざるをえません。まあ、初見の人から見たらただの女子高生に見えるんでしょうけどね!

真央ちゃんのキャラクター設定はドラマ版の方がやや追加されている印象を受けます。特に「周りで事故が頻発する気がする」という追加設定は素晴らしい設定だと思います。

この事故に関しては完全な偶然で真央ちゃんとは何の関係もないんですが、ドラマ版だと視聴者は富豪村やくしゃがらの後に見るわけです。

そして冒頭は事故のシーンから始まるわけです。それによってそれとなく不吉な、不気味な、何かあるんじゃないかという雰囲気を醸し出します。こういう素晴らしいアシストが実写版にはあるから評価が高いんですよね。

漫画版の解釈はふた通りある?

漫画版で巡り合った「尾花沢」ですが、これを「記憶を失った元夫」と捉えるか「かなり良く似た別人」と捉えるかが読む人によって若干違うみたいです。(一応記事を書くにあたって他の人の感想も読みました。)

細かい考察は置いておいて、個人的には「魂の形が良く似た別人」と解釈してます。

登山の際の滑落事故で一度死んだタイミングと元夫の死んだタイミングがリンクして、魂が融合して生き返り、その後巡り巡って片平親子と出会った話として捉えています。

というのも、新婚とはいえ

・自動車事故で亡くなった後に葬儀や火葬などを行っていないというのは考えにくい

・いくらなんでも実は生きていたのならその事実を片平真依が知らないのはおかしい

ということ。まだ何かの災害や行方不明ならともかく、自動車の事故ですからね。

漫画版はあくまでも「魂を一部引き継いだ別人」という解釈で作ったのではないでしょうか。

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岸辺露伴は動かない D.N.Aまとめ

ドラマ版だと平井太郎くんという明らかな別人が、臓器移植によって魂のDNAを一部引き継いだ的な演出になっていました。子供が二人を結びつけるという素敵な展開で話は完結です。

一度断ったジュースを「いただきます」と言ったり、驚きと悲しみ、喜びが入り混じった片平真依の表情がいいですね。

多くを語らせずともちょっとしたセリフと表情でキャラクターの感情を表現するのはさすがですよね・・6部ラストのエンポリオや、4部ラストの川尻早人、8部ラストの東方家のような演出だと思いました。

(やや引っかかるところがあるとすれば、友弥くんがほんのちょっとも尾花沢に似てないですよね・・・まあ、しかたないか)

というわけで「D.N.A」の感想考察でした。他にもいろいろな話を考察してますので時間のある人は覗いていってくださいね。

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