ダイの大冒険はドラゴンクエストがベースになっているため、魔法イコール呪文である。ゲームのドラゴンクエストでも、基本的に呪文は「唱えるもの」で、炎だったり氷だったりは敵側に発生する。なんというか、術者が放っているというよりは、呪文により自然発生した感じの演出になっていることが多い。
だがダイの大冒険は違う。きちんと予備動作がある。それが呪文や技のカッコ良さにつながっているのは間違いない。
当然、どんな攻撃が来るかわかっている方が対処しやすいので予備動作はないに越したことはないのだが、ダイの大冒険は予備動作だらけのマンガである。だがこの予備動作こそが呪文や技を派手でカッコイイものにしてくれているのは間違いない。
技について
構えが独特な技
技に関して言えば、ブラッディスクライドやアバンストラッシュ、獣王会心撃、ギガブレイク、超魔爆炎覇やハーケンディストールなど、The予備動作!!な技ばかりである。あ、ノーザングランブレード忘れてた。
構えがない技
予備動作が少ない物は思いつく限りでは閃華裂光拳とかカラミティエンドくらいしか思いつかない。「これからこの技出すよー」って宣言してから繰り出すんだから、ダイの大冒険のキャラクターたちはみんな正々堂々戦っている気がする。
呪文
前菜はこれぐらいにして、本日のメインである呪文の予備動作の話をしよう。
ベギラマ
まず紹介したいのはベギラマだ。
何故かダイの大冒険の世界ではギラ系の立場がやや高い。
メラゾーマを使えるポップがなぜかベギラマは使えないという不思議な立ち位置だ。
ベギラマは左手に魔法力を溜めて右手でパンチして打ち出すような演出である。ダイやポッブ、アバンは右手の拳で打ち出している。
アバン先生は「べ・ギ・ラ・マ〜ッ!!!」って言って繰り出してるから発音はよく分からない。
ちなみにギラ系の最下位であるギラは熱線のような演出をされている。太くなってるので分かりにくいがベギラマも基本的に熱線を打ち出す技なんだろう。
こういう漫画の飛び道具においては「球を打ち出す」のと「光線を発射する」のは微妙に違う。わかりやすいのはドラゴンボールの元気玉とかめはめ波だ。他だと浦飯幽助の霊丸なんかは球だし吉良吉影(キラークイーンとストレイキャット)の空気弾も球だ。光線系の技は実は以外と少なかったりする。
ベギラゴン
個人的にダイの大冒険の呪文の中ではベギラゴンの演出が一番好きだ。あの炎と指の形がかっこいい。
極大閃熱呪文ことベギラゴンはよくハドラーが使っている。両手から炎が出て頭上でアーチ状になり、両手を独特な指の形状にして打ち出す。いつもハドラーが自信満々に繰り出すのがなんとも言えない。いつもベギラゴンやる時のハドラーは笑顔だから・・・。
だがベギラゴンの一番カッコイイシーンは、ハドラーが得意げに繰り出すベギラゴンをマトリフ師匠がベギラゴンで迎撃する所。ここに予備動作の真髄があって、師匠がベギラゴンの予備動作に入ったときに「バッ、バカな!できるはずがない!!」とハドラーがうろたえる。
ここ!!ここがめちゃくちゃカッコイイ。
専売特許だと思ってるハドラーを迎え撃つ師匠がかっこいいんですよ。ベギラゴン合戦はザボエラとダイが乱入して結局マトリフとダイが勝ちますね。
イオナズン
漢字表記は極大爆裂呪文だったかな。イオナズンも両手にエネルギーを貯める系。イオナズンはちょっと球になってる。何故かベギラゴンよりも割と地味なイオナズン。後半ではイオラの方が登場機会が多くなる。
球状での表現が多く、着弾と共に爆発する印象。
ヒャド系呪文
ヒャダルコやマヒャドなど、何故かヒャド系呪文には予備動作がない。
広範囲に作用する演出がされており、当たると身体が凍りつく。光線系なんだけど範囲が広いのであまり痛くなさそう。
氷も一緒に飛んでおり、なんとなくエメラルドスプラッシュを思い出してしまうなあ。
メドローア
ダイの大冒険オリジナル呪文であるメドローア。冷気と炎のエネルギーを合わせて物体を消滅させるエネルギーを作り出す。弓のように引き絞る予備動作が特徴的。当たれば問答無用で消滅させる恐ろしい呪文。最初はけっこう時間かかってたけど、後半は割と素早くメドローアを発動できるポップはやはり天才か。
メドローアも体勢を崩されたり、エネルギーバランスが崩れるとまた最初からやり直しになるっぽい。
その「当たれば勝ち」な性能ゆえか作中ではなかなか当たらない。むしろ、どうやって当てるか知恵を絞るのがメドローアの注目点だ。
ドルオーラ
ダイの大冒険オリジナル呪文のドルオーラ。竜魔人専用。単純な破壊力ではメドローアを除けば作中一番な気がする。バランとかダイが両手を組み合わせたらものすごいのが飛んでくるっていう期待感が生まれる。絶対敵になりたくない。
竜闘気を打ち出す技なので、呪文と言うよりは闘気技に近いかもしれない。
まとめ
ダイの大冒険の呪文や技はただ繰り出すだけでなく、発動までの予備動作も含めて楽しめると思う。
いい技、呪文にはこれからやるぞ!っていう期待感がある。この独特のタメをアニメでどう時間を割いて演出するのか今から楽しみだ。
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