ベース練習に限らず、楽器練習は誰もがやる気に満ち溢れているわけではない。
部活や学校の宿題で忙しい学生さんもいるだろうし、社会人で働きながら趣味としてベースを弾いている人もいるはずだ。
そんな人の多くがぶつかる課題は「練習を始めるのに時間がかかる」というものだ。「やろうやろうと分かってはいるのにダラダラとスマホをいじってしまった」「練習するためのフレーズを探して動画を見てたら一時間経っていた」「とりあえずお風呂入ってからと思っていたら、やらなきゃいけないことを思い出した。」
こんな感じで「練習出来たであろう時間」が1日一時間無駄に過ごしてしまったとすると、一年で365時間も無駄になってしまう。これは大変だ!
ここまで言っておいてなんですが、実は僕もこのタイプ。
まず自室からベースを持ってこなければならない。
ベースと一緒にマルチエフェクターを持ってきて、シールドを持ってきて・・・
イヤホンも持ってきて、練習に使う譜面を取り出して・・・など結構手間がかかる。始めたら始めたでチューニングを合わせたりなんなりで、肝心の練習を始める頃には数分が経過しているなんて事もザラだ。
逆を言えば、練習さえ初めてしまえばある程度練習できる。時間があまりない人にとっては30分の練習時間は貴重だ。朝30分、夜30分でも1時間になる。
この時間を確保できるもできないも「スタートをうまく切れるか」にかかってくる。
このとにかく始めるためのテクニックを最近勉強したのでアウトプットしていこうと思う。
2ミニッツスターターとは
参照元は読書猿先生の「独学大全」これはすべての独学者に自信を持ってお勧めできる。

簡単にまとめると、「ちょっとだけでもやる、すぐやる」ということを技法化したものである。
心理学で言うところの「オヴシアンキーナー効果」を利用したものらしい。(これは後述する。)
人は始めてしまったことを途中で放り投げてしまう事も、それはそれで難しいものらしい。
なんでもそうなんだが、例えば動画を最初の2分間だけ見て、あとは見ない!だとか、
ラジオ体操を少しだけやって、あとはやらない!っていうのも難しいものである。なんとなく区切りのいいところまではやってしまうはず。それを逆手に取ったテクニック。
始めてしまえばこっちのものテクニックですね。
2ミニッツスターターのやり方
1 タイマーを2分にセット
2 タイマーをスタートさせ、すぐに作業を開始
3 タイマーが鳴ったら作業をストップ (作業が途中でもやめる)
4 ストップしたら2秒でその先を決断する
(制限時間なしで同じ作業を続ける 2分設定で違う作業に取り掛かる 休憩する)
ベース練習に応用するなら?
2分タイマーセットなら、単純なクロマチック練習やメトロノームによるリズム練習などが都合がいいと思う。なんとなく2分やる頃にはあれやろう、これやろうという気分になっている。
僕がやってみて工夫したところ
・生音OKにする
アンプやらマルチやらにつないだり、準備をしてるのがスタートを切る障害になりやすいので、とりあえずベース本体だけで始めるとやりやすい。
・チューニングも後でやる
2分弾いててチューニングがずれてると気になるので、後から嫌でも直すのでまずは2分やる。
・できるだけ基礎的な練習から始める
コピーなどの応用練習は音源再生などの準備が必要なので、2ミニッツスターターには向かない。基礎練が吉。
オヴシアンキーナー効果って何よ?
発見者にちなんだネーミング。
未完成で中断した作業をやりたくなってしまう効果を「オヴシアンキーナー効果」というらしい。
発見者のオヴシアンさんという心理学者はこの効果を統合失調症患者のケアにも応用したとか。
この効果を応用するなら
2ミニッツスターターで始めた後の話になるが、練習や課題を中途半端なところでやめておくと、その続きがやりたくなるはず。ということは、キリのいいところまでやりきらないで中途半端なところでやめたほうが、後の練習のためにはいいのかもしれない。
まとめ
ベース練習だけでなく、仕事や宿題、教育、トレーニングなどにも応用できるテクニックだと思う。
自分の意思を心理学的なテクニックを使ってコントロールしていく方法は、知っているだけでかなり有利なので、ぜひうまく取り入れて練習に活かしていただきたいと思います。
他にもいろんな独学技法が載ってます。ここ数年で一番の良書。
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