岸辺露伴ルーヴルへ行く 個人的考察1 白とエロ

岸辺露伴シリーズの感想と考察

あからさまな対比表現が嫌いという人もいるとは思うのですが、アクセント的に光を入れることでより一層黒や影が際立つんだろうと思いました。

というわけで今回のテーマは白とエロです。

SODの新人は白いワンピース着てるとか、そういう話ではありませんよ。

映画を見てから少し時間が立つと冷静に考察ができます。何しろ、映画を見に行ってるときはイチファンとして、オーディエンスとして見に行ってますからね。一人のファンの感想しか浮かんでこないんですよ。

その結果やや厳しい感想を持ちました。

正直言えば荒木先生の関わってる作品は手放しで称賛したいんです。

「最高でした」「神映画」「日本の歴史に残る」そんなことを言いたい。ですが、長い年月をかけて僕は荒木先生の信者になってしまったのです。荒木先生の描く漫画は僕は手放しで称賛します。(もちろん裏のテーマや対比表現、元ネタなど一生懸命調べますが・・・)しかし、荒木先生の手を離れた作品というのは話は別です。荒木先生と同じような熱量で作っているのか?どのようなキャラクターの心情からこういう行動になるのか?荒木先生が作るような「経歴書」の内容と矛盾した行動を取らないか?そこをかなり厳しく見てしまいます。

なんかマジになっちゃいましたが、今回はこうしたら良かったんじゃないかなあと思うところを考察していきます。

こういうのは早くやらないと岡田斗司夫さんに解説されちゃいますからねえ〜!

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岸辺露伴ルーヴルへ行く 映画版考察

黒と影が多い今作品

最も黒い絵、がテーマなだけに黒が多いのは納得ですね。そんな黒と対比させるかのように出てくるのが白です。作中の白表現といえば若い頃の露伴の服装です。

トップスからボトムス、スニーカーまで白で統一された若露伴のファッション。

最も黒い絵や闇と比較されるかのように登場してきます。

この頃の露伴に変なクセやこだわりを入れなかったのは、まだ漫画家としてすれていない、まっさらな状態を表現したのではないかと思います。

設定がデビュー前からデビュー後に変更になっていますが、デビューはしてるがまだ売れていない、という設定のほうが初々しい印象を与えるからなんですかね。一応プロだが売れていない。認められたが自信はない。このあたり細かいニュアンスなんですが、新人っぽさで言えば大学四年生より社会人一年目のほうが新人ぽいじゃないですか。そんな社会人一年目っぽい露伴を表現するための細かい設定の変更なのかなと思いました。

白い服

で、露伴は白い服を着ているんですが・・・

奈々瀬の浴衣も実は白なんですよね。

原作はオレンジっぽいような浴衣を着てたりします。

世界観的にモノトーンの印象が強い作品ですのでいきなり色味が出てくるのも変なのですが・・・

この露伴の作品に興味を持ち、見てみたいと言ってるときの奈々瀬は、夫である仁左右衛門の絵を見ていた時と同じような気持ちになっているはずなんです。よくわからないけど何かいい。このときは絵の呪いをどうにかしてほしいとかではなく、純粋に絵を楽しんでいた・・・その心理描写としての白い浴衣だったのかなあと思います。

真っ白ではないのですが、真っ白は死に装束みたいでちょっとってなりますしね。

あと、結婚したときのシーンも白い着物でした。

今作品の白はポジティブな要素を強調する色ですので、そこに注目してみると面白いと思います。

岸辺露伴ルーヴルへ行く 原作のほうがエロい説

荒木先生は原作を書いたときにフランス映画のエロティックサスペンス・・・秘められた恋と事件みたいなイメージを描いたと言っていました。

確かに原作はちょっとエロティック要素があります。お風呂場ラッキースケベはもちろんですが、個人的には奈々瀬が露伴の作品を読むシーンです。

「座って」

っていうシーンなんですが、このシーンは布団敷いてあるんですよ・・・

まだ起きてらしたの?っていうセリフから考えても軽く22時は超えてるだろうこの時間に年上女性とに布団に座ってって言われるんですよ・・・・

岸辺露伴とはいえ、17歳の男の子には刺激が強すぎますよね。実際帰るって言ってますし。

さすがにエロ過ぎるのか、映画版に布団はありませんでしたね。

とはいえ夜のあの時間に年上女性から座ってという右手でトントン床をたたくジェスチャーされたらちょっとドキドキもんだなあとは思いますけどね。

ジョジョランズのあの警察官とは大違いですよ。

こいつだったら雰囲気も何もないなぁ!

泉京香は全くエロくない

映画版になりますが、ことごとく露伴は泉京香のことは女性としては見てませんよね。まあ、そう見てても困りますが・・・

ただホットサマーマーサの露伴の暗黒面の件を考えると、若い女の子やエロ関係に興味がないわけではなさそうですけどね。

パリに着いてからほぼz-13まで直行するような雰囲気でしたが、少しだけパリ市内を巡って白というか光的な要素・・・その後の暗さや黒さを際立たせるような表現が、泉京香を通して表現されても良かったんじゃないかなあと思います。

彼女には若い頃の露伴とはまた違った「白さ」がありますからね。

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まとめ

今回は衣装の色やエロティック要素について考察してみました。

見終わった直後の感想では若い頃の露伴に僕は不満があったんですが・・・

初々しさ、純粋さ、経験不足、そのあたりを表現しているシーンと捉えれば、また違った見かたもできますね。

今北國先生の小説版ルーヴルも読んでるので、読み終わったらまた別の考察も出てくるかもしれません。

まだ途中ですが、かなり描写が細かいです。

映画を見たあとに読むのもおすすめですよ。

また書きます。