新しいアニメ版ダイの大冒険15話の感想です。
今回は魔王軍の切り込み隊長である氷炎将軍フレイザードさんが特殊な結界を張るお話ですね。
ダイの大冒険は、ダイの年齢や見た目もあって｢チビ｣だとか｢ガキ｣だとか軽く見てる場合が多く、それゆえに紋章発動時のギャップに耐えられず敗北する悪役が後をたちません。クロコダインなんかはその典型でしたね。
ですがフレイザードさんは違います。いきなりマヒャドという氷系の最強呪文を使い、ダイを攻撃します。炎系のメラゾーマとかフィンガーフレアボムズでないあたりは、流れ上仕方ないかなと思います。やっぱりフィンガーフレアボムズはパプニカ三賢者の一人、アポロのちんぽに5発全弾命中させ、マンガの読者やアニメの視聴者を恐怖のどん底に叩き落すべきでした。
これをダイは火炎大地斬で応戦し、フレイザードの氷の右腕を切断します。岩石生命体なのでそんなに痛みはないのか、割とあっさりしたリアクション。ピッコロさんみたいに新しい腕を生やして戦闘再開だ！某鬼とかもそうだけど、敵が気軽に腕生やしてくるのってずるいよね。
味方も援護に駆けつけたことで、これはダイたちが優勢かと思いきや、フレイザードさんは弾け飛んでしまいます。それを合図に巨大バイブのような氷魔塔と炎魔塔が生えてきます。え？ そんな風に見てるのはお前だけだって？いやいや、そんなことはないはず、あんなイボイボデザインのもの、連想するのはバイブですよ。異論は認めるけど！
するとあーら不思議。なんと呪文が使えません。
さらに力も弱くなっています。
フレイザードさんの丁寧な解説によると、
｢呪文は使えない｣｢パワーは5分の1に弱体化｣
になるようです。
必勝パターンだと言ってましたが、これで負けたら馬鹿だぜ！パワー5分の1って、握力100キロのゴリラが握力20キロになるってことでしょう。もう大人が子供になるくらいのパワーダウンを起こすわけです。これで負けるとかマジアレッシーですよ。もうこうなると正々堂々も何もあったもんじゃありません。
魔王軍の中でこういうことをやりそうなのはフレイザードとザボエラあたりでしょうか。
自分たちを強化して相手を弱体化させるのは、ある意味基本な気もしますけどね。
そして名言であるこのセリフも登場。
この｢勝つのが好き｣という言葉にいろんな人が共感していますね。闘うのが好きなのはどっちかといえば｢バトルマニア｣であり、幽遊白書の幽助や酎、ドラゴンボールの悟空あたりですかね。その辺の人達とフレイザードさんは根本が違います。
お姫様を氷漬けにして人質にとるという｢THE AKUYAKU｣なフレイザードさん。高笑いにも気合いが入っています。とても笑顔です。
ここでよく分からないのがダイの怒りの沸点ですね。自分たちも生命を狙われ、ヒュンケルが犠牲になった元凶にも関わらず紋章の力は発動しないんですよ。一応｢怒り｣に反応する竜の紋章ですが、ストーリーの都合上ここでは発動しませんし、フレイザードに対しては発動させません。
というのも、ダイは敵を倒すごとにどんどん精神的に成長していくキャラクターで、単純なパワーアップやオーラ総量が上がるというよりは、精神的な成長が戦闘力の成長とリンクしているキャラクターなんですよね。
先のネタバレになってしまいますが、卑怯で残虐なフレイザードに対して｢心の目で見えないものを斬る｣というのがフレイザード戦でのポイントなので、紋章の力に頼ったバーサーカー的な戦闘ではないんですよね。
後のバラン戦で紋章の移動が起こるまでは、比較的紋章発動は｢キレる｣状態に近いので、このフレイザード戦は｢卑怯なやつに対してもキレない｣という裏テーマがあるんですよ。
もっと言ってしまえば、怒りに身を任せて暴走状態で敵を殲滅するのが竜魔人状態と考えると、最終戦の鬼気迫る感じが伺えますね。
話が大幅にズレましたが、最後まで闘うとダダをこねるダイの後頭部をマァムさんが殴打して気絶させます。魔弾銃の弾をグレネードのように使い、フレイザードの炎を利用して誘爆、撤退という判断を下します。
仮にも賢者であるはずのエイミさんでもなければ、後の大魔導士ポップでもないというのが面白いところですね。割と脳筋であるマァムさんの数少ない頭脳プレーになっております。
これでフレイザードさんはダイ一行を取り逃してしまいます。
この点は勝利にこだわるフレイザードさんらしくない失態と言えます。
何故こんなミスをしてしまったかと言えば、要因は
・氷の槍やフレアボムズを使わず、何故かパンチやキックで戦っていた。
この一点に尽きますね。
そこでダイを倒せなくても、ポップやマァムに致命傷を与えるだけでも大きな収穫になると思うんですけどね。
せっかく岩石生命体なんだから、もっとフレアボムズを多用したほうが勝てると思うんですけどね。ていうか、作中でもフレイザードは1回しか(しかもアポロにしか)使ってないような…ポップの方が使ってる回数多いぞ。2回だけど。あんなにインパクトのある技なんだから、もっと見たかったなあ。
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