岸辺露伴は戯れない 幸福の箱 あらすじと感想(後半にネタバレあり)

忘れもしない2020年の年末。岸辺露伴は動かないがTVドラマ化されました。キャスト、演出共に素晴らしい仕上がりで制作陣の皆さんには感謝しかありません。

そんな素晴らしい実写ドラマを見て僕は猛烈に悔しい思いをしました。

それは、「くしゃがら」と「D・N・A」の2作品に関して、原作未読だったということです。

当時は「新鮮な気持ちで見れるからいいや」なんていう自分を納得させるクソみたいな言い訳をしていましたが、ドラマを見てるうちに「原作と比較したい」という思いがこみ上げてきました。

そしてつい先日、岸辺露伴は動かないのドラマの続編が発表されました。

なんとキャストだけの発表で、どのエピソードをやるかが謎…!

原作未読ではエピソード予測もなにもできたもんじゃない。そんなのがファンとして許されるのか?いや!許されないね!!まだ時間はある。原作も読めるし、感想も考察もできる!というわけでポチポチと原作を読んでいるわけです。

そんな前書きからの「幸福の箱」のあらすじと感想からいきます。これは「岸辺露伴は戯れない」に収録されているエピソードですね。

順番的に言ったら「岸辺露伴は叫ばない」のエピソードから書くべきなんでしょうが、なぜか戯れないから読んでしまったので仕方がありません。

これは岸辺露伴シリーズの感想共通ですが、前半は簡単なあらすじ紹介と感想。後半はネタバレ有りのオチ解説です。よかったらあらすじだけでもどうぞ。

岸辺露伴は動かない 実写ドラマのエピソードはなんなのかをキャストから予想しよう

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岸部露伴は戯れない 幸福の箱のあらすじ ネタバレなし感想

幸福の箱 あらすじ

「幸福の箱」という不思議な骨董品のお話。登場人物は露伴を含めて3名です。

古美術商である五山一京、その妻である千波、そして我らが岸辺露伴

一京は露伴に「不思議な箱」を見て欲しいと頼む。一京は露伴が妖怪と遭遇したという情報を掴んでいた。集英社の編集者から・・(この編集者はたぶん六壁坂の時の貝ヶ森だと思われる)

で、露伴が家に行くと、露伴にお願いをして半ば強引に一京は出て行ってしまう。

そんな胡散臭い頼みを「わかったよ!」と言って引き受けるような性格ではないことは誰もが知っている。見てくれといえば見ないし、見るなと言えば見るのが岸辺露伴だ。前に露伴の好奇心で背中を見られて死んだキャラクターがいたな・・・

露伴に箱を見せるなら箱の話だけ持ち出して「絶対に見せない」「見てはいけない」とか言えば良い気がするんですけどね。

そして露伴が去ろうとすると「ガシャン」という音が・・・

開けてみると箱はバラバラになっていた。最初は「砕けた」と思った露伴だったが、よく見るとそれは「パズル」のようになっている。そしてそのパズルからは「スタンド能力」のような気配を感じる。これは一体なんなのか?完成した時にどんなことが起こるのか?という話です。

幸福の箱 ネタバレなし感想

露伴がスタンド使いという設定と、ヘブンズドアーによる仕込み、露伴の美意識や芸術に対する思いが文章に表されている話でした。話の後半で「あっ」と言わせる前半の伏線が素晴らしいと思います。

この先はネタバレを含んだ感想になりますので未読の方はご注意ください。

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幸福の箱 ネタバレあり感想

ネタバレあり感想

今回の話は不思議な能力を持つアイテムと、それにまつわる人間の話。最初に出てきた五山一京よりも実はその妻の方が異常で歪んだ人間性を持っていたというのが面白かったです。

一京自身も愛情が歪んでいるのは自覚しており、出会った頃の方が幸せだったと思っていた。そして出会った頃の妻と過ごすのが一番の幸せだったというのが今回のオチ。本来なら箱の中で何を見ているかは知りようがないはずなのですが、ヘブンズドアの書き込みにより一京は答えるわけですね。そして千波は知りたくない事実を知ることになった。

話の展開としては、「人間にすでにある命令を書き込んでおいた」というパターンのお話です。

均整のとれた完璧な美しさよりも人間らしい多少の歪さがあったほうが、人間としては美しいというメッセージが「戯れない」全体からそこはかとなく感じます。ですが、この「幸福の箱」のエピソードは「歪みきっちゃうとそれはそれでアウト!」な雰囲気を感じますね。愛も行き過ぎれば歪みになる。

五山千波が後半に見せた異常な愛情とその豹変ぶりは4部の山岸由花子の康一くんへの想いを思い出しましたし、急な豹変ぶりやかなり言葉遣いが悪くなるところ、暴力的になる表現は7部のスカーレット夫人を思い出しました。

スタンドバトルに慣れていると、普通に睡眠薬で眠ってしまう露伴が新鮮ですね。

個人的には荒木先生が書いていないお話というのは「原作愛があるか」というのが不安なんですが、「どこかで見たようなキャラクター」が出てくるとちょっと安心するんですよね。個人的には。

ドラマ化の可能性はどうなるか考察してみた

千波役に内田理央さんがキャスティングされる可能性がありますが、どうでしょう。キャラクター同士の掛け合いがあまりない話なので可能性は低そうですが。

後半の千波のキレっぷりというか、プッツンして箱を血が出る間でぶん殴るシーンとか鬼気迫る表情でやってもらいたいですけどね。もう、よだれとか垂らして白目剥いて欲しいですね。幽遊白書の岩本ぐらいの表情だとグッドです。

でもどっちかといえば・・・内田理央さんよりも木村多江さんとか木村佳乃さんとかの方がイメージには合うかな。(お二方ゴメンなさい)

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まとめ

今回発表されたキャスティングでは可能性が低そうですが、いつかドラマ化して欲しいなと思います。五山一京はぶっちゃけ誰でも良い気がするし、五山千波だけプッツン演技のできる女優さんを選んでもらえばおそらく面白いドラマになります。

もはや毎年年末に3話ずつドラマやってくれっ!って気分ですね。

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