スピードキングと東方常敏について語る

僕はけっこう東方常敏が好きだ。
初登場時から強烈な個性を携えながら登場し、クワガタバトルというジョジョ史上初のムシバトルを繰り広げる。

比較的王道ともいえる憲助の経営方針に反対し、裏道を通りながら上に登りたいという野心も含めて好きなキャラである。

東方家だけで見ると、常敏以外でフルーツ屋さんを継げる人はいないし、(鳩も常秀も大弥も無理だろう…)やり方は褒められたものではないが家族を大切にしている。結果的には最悪の事態を招いてしまったけれども。

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考え方は母親から受け継いでいる

家族の問題は家族で解決するという憲助の考え方は憲助が母親から受け継いだ考え方であるし、家族の幸せを考えて、それ以外の方法を使って(倫理的にまずかったとしても)家族を助ける、息子を助けるという考え方もまた母親である花都から受け継いだものである。

憲助も常敏も、母親に生命を救われた。自分の生命を使ったか、他人の生命を使ったかの違いはあって、そこが2人の考え方を決定的に違うものにしている。

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東方憲助との関係

現在連載中のジョジョリオンでは、憲助は常敏の手にかかって瀕死状態にあるし、常敏も死んだ(っぽい)描写をされているものの、割と常敏を大事にしている花都が出てきていないのでまだ常敏はわからない。死んだとしたらちょっとあっけなさすぎるかな。

※最初読んだときは憲助はもう死んだのかと思っていたが、透龍君が「 憲助もつるぎもこれから死ぬ」と言っているのでまだ死んでないのかもしれない。

常敏も憲助もお互いに「正しい道」を歩むという信念があり、その信念は二人とも強いのだが、その「正しい道」の解釈が二人の間では違っていたというのが悲しいところである。憲助の初期の頃のあの怪しさはどこへ行ってしまったのかと思うほどにまともな人物になっている。

ただ、解釈が、方法が違うだけで常敏の根底にあるのは「家族への愛」であり、一概に常敏を「悪者」として扱えないのがこの一連の流れである。

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スピードキングについて

前置きが長くなったが東方常敏のスタンドであるスピードキングの話をしよう。

スピードキングは熱を溜めておくことができるスタンド。自然界では当然熱は熱い所から冷たい所へ移っていき、最終的には同じ温度になる。熱量保存の法則だっけ?

だが、常敏のスピードキングは熱を1箇所に溜めておくことができる。溜めながらも、温度調整や熱の流れの方向性もある程度操作できるんでしょう。

作中最も多いのは血管がグツグツして人体内部(特に頭部)の破壊ができることだ。常敏が少年の頃はこの能力が暴走してイジメっ子みたいなパンティ野郎を瀕死の状態まで追い込んでしまった。子供の頃に能力自体は身についていたが、認識していなかったか、うまくコントロールすることができなかったと考えられる。

オージロー、マコりん、も死因はこのグツグツである。熱量の調節で、気絶させる程度から死に至らしめる所まで調整が可能。ぱっと見は脳梗塞だの脳挫傷に見える死因なので、病気に見せかけて殺害するという運用方法が可能である。これはバタバタと人が死にまくる他の部と違って4部や8部の杜王町では大事な要素である。

熱といえば・・・

熱を操るスタンドとしてはやはりモハメドアヴドゥル氏マジシャンズレッドがピンとくるものの、あんな能力をジョジョリオンで登場させたら色々都合が悪くなってしまう。というか炎系の能力は強すぎる。クロスファイアーハリケーンなんて八部ではとてもじゃないがブッパすることはできない。

射程も短く、超高温ではないものの、「熱が流れない」というだけで人間は簡単に死んでしまうというちっぽけながらも強力なスタンドである。ここがとても好きなポイント。

当然の前提として、「警戒されていない」ことが重要であり、音もなく忍び寄るスキルがなければ難しい事を常敏はやっているので、常敏自体の能力も高いんだな。

で、このグツグツアタック以外ではペーパームーンキングとのコラボで灯油に引火させて果樹園を焼き払うという大技も見せた。

点火という言葉を使っているので、チャッカマンみたいな使い方もできるのだろう。

スピードキングの見た目としては、なんか埴輪みたいな顔に帽子を被っている見た目。口元がキング・クリムゾンみたいに歯を食いしばっているデザインのため、ちょっと凶悪そうなスタンドに見える。子供の時はスピードキングも子供だった。カワイイ。

八部のスタンドは腕が細い物が多く、スピードキングも腕は細めである。

一応パンチを繰り出している描写もある。おそらく連続でパンチを食らうと熱が体内に集まっていき、グツグツして死んでしまうのでしょう。やはり強力なスタンドである。

8部は「触れて発動する」タイプのスタンド能力が多いからなのか、あまり殴り合いはない。

スタンドのデザイン

スタンドデザインに関しても、8部は割とガリっぽいというか細身のスタンドが多く、スタープラチナみたいなマッチョなスタンドは出てこない。これも時代性なのだろうか。ソフト&ウェットなんてスタープラチナにパンチされたら粉々に砕け散ってしまいそうである。しかし、キャラクターが能力と知恵を使って困難を乗り切るという意味ではそれくらいの方がいいかもしれない。スピードとパワーが優れているとなんでもアリになってしまうからだ。

まとめ

射程も短く、そんなに使い勝手の良い能力ではないが、それを知恵と工夫で補っているのが常敏である。過去のエピソードを見ると、何となくリンゴォを思い出してしまうのだが、何か困難を乗り越えた男のキャラクターを見るのは楽しい。だから好きなのかな…東方常敏。

ジョジョキャラクターが大量出血で死ぬというのはやや簡単な死に方ではある。特に主人公側のキャラクターは伝統の「腹パン」要するに胴体を貫通する、腹に大穴が空く位のダメージにより死亡するケースが多い。花京院やアバッキオ、ブチャラティ、アナスイなど。(その法則でいくと豆銑さんはもうダメかもしれない。腹に大穴が開き、主人公に重要なメッセージを残すというのはジャイロの最後を彷彿とさせる)

だがこれがラスボス戦になると割とあっさり死んでしまうキャラが多くなってしまう。6部のエルメェス兄貴は両腕切断でやられてしまったし。

なので、常敏はもう死んでしまったのかもしれないが、東方家で過去について詳しく描写されることが多かったキャラでもあるため、もう一度何かしらで登場してほしい気持ちはある。でもまあ、仕方ないのかな。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。今更考察ジョジョリオンもよろしくお願いします。