岸辺露伴シリーズにおいて初めて原作無しのテレビドラマオリジナルとなる今作品。放送されてからあれこれ感想を書くことは簡単だが、一度見てしまうと見る前には戻れないので、今のうちに思うことを書いておこうと思う。
まず原作と脚本に荒木先生が協力してるということですが、これはメインで考えているというよりは、キャラ設定や今まで、これからの漫画において矛盾点がないかどうかのチェック程度のものと予想している。あくまで制作サイドの「やりたいこと」に対して原作者である荒木先生が「うーん」にならないかどうかのチェック・・・であると。過去の事例を見る限り荒木先生のチェックは「甘い」と思っているので、ここは少し不安な点ではある。脚本においてはせめて北國ばらっど先生が絡んでいれば安定感が増したのではないかと思うが、制作側においても一つの実験的な作品なのだろう。
岸辺露伴シリーズは必ずしも露伴がメインになる必要はない。「六壁坂」にしても「懺悔室」にしてもメインは露伴ではないからだ。最後にちょろって出てくるだけでも成り立つのが岸辺露伴シリーズ。何しろ動かないのだから。そう考えると最近はちょっと動きすぎな気もするが。
懸念点とすれば。
やはりこのシリーズは「露伴が怪異に巻き込まれる」というある種のお決まり感があるからこそ成り立っていたという点だ。
今回は巻き込まれるのが泉くんということになるが、これが成立してしまうと物語としての純度が薄まってしまう恐れもある。
僕は露伴のファンである以前に「荒木先生のファン」なので、荒木先生の考えた話、荒木先生の考えた演出とセリフでないものをどこまで受け入れられるのかとい不安はある。
小説版は文字なので、まだビジュアルは自分の脳内で想像ができた。だが映像はそうはいかない。
演出において心配なのは、中途半端な荒木先生っぽさを見せられると冷めてしまうという点だ。
厳しいことを言うが、懺悔室映画版は「昔の荒木先生っぽさ」を引っ張り出してきたような演出が少し残念だったという感想を持っている。もちろんそれが露伴ぽい、ジョジョっぽい、と言われればそれまでだが、ちょっと半端なのだ。
中途半端にセリフを回すのではなく、「ただのモブにいかに荒木先生っぽさを出すか」で荒木先生の理解度が変わってくると思う。具体例をあげるとブチャラティの父親が目撃した麻薬取引現場のチンピラ(5部)や、ウェカピポの妹の夫(7部)、美那子さんとその彼氏(4部)、トム・クルーズ似の看守(6部)、更に興奮してきた警官(9部)、ちょっと勘弁してよおっ!のおばさん(8部)など。この辺のキャラっぽいキャラを作り出せるかどうかがオリジナル成功の鍵になる。
泉京香に関して言えば、導入でどのくらい視聴者を心地よく「イラッ」とさせられるかがポイントである。
根っからの悪人ではないものの、どこかしら露伴をイラッとさせるのが泉くん。中途半端にパートナー感を出してほしくはないし、飯豊さんと高橋さんの関係性があるからこそあんまり仲良くなるとレビューが荒れるという心配もある。(懺悔室の映画は結構そのことの言及も多かった)役者さんと役は切り離して考えるのが筋だと思ってはいるが、世の中の人はそういうものでもないらしい。
怪異ものの「王道」を行きつつ、露伴っぽさが出せるかァ?がファンに取っ手のドキドキだと思うので、そこは期待しすぎずに期待したい。
上手くいったなら5月と12月の年二回位のペースで作ってもらえると嬉しいなとは思う。
放送を見たら、感想を書くことにしよう。
