泉京香は黙らない 感想 その1

のっけから申し訳ないが、個人的にはイマイチだった。スピンオフをすべて否定するつもりはないが、「スピンオフには懐疑的」な姿勢をとる一因になってしまった感じがする。

以下、ネタバレ注意。

まず良かった点から。

全体的にホラーテイストの作品ながら、家や雰囲気を暗くしすぎなかったのは良かったと思う。話的に少しエグめの表現は出てきたものの、後味が悪くなるような残酷な描写はない。

映像の質感や音楽もシリーズの雰囲気を壊さないように統一感が出ていたのも良かった。

勘助くんのキャラ設定がちょうどいいキモさと常識人っぽさが混在していてある意味一番好感が持てた。(勘助くんが一番荒木先生の作品ぽさが出ていたキャラだと思う。なんとなく群平を思い出した)

まとめると、雰囲気は良かったということだ。

ここからは気になる点だ。

とりあえず導入というか、核心に迫るまでが長い。ここまでシリーズ化していてそこら中にヒントが転がっていれば、ある程度のところでおおよその想像はついてしまう。「会話」「喋り」「黙らない」「舌」などから音や声を何とかすることは想像できた。その想像がついてから確信に至るまでが長い印象を受けた。ここまで会話や喋りを強調するなら西恩先生対泉君の会話なり議論なりが聞いてみたかった。

泉京香がひたすら喋り続けるというか、あの状況で黙らないことが究極に違和感という感じもするが、なんだかリアリティのある会話が売りの漫画家兄妹の設定ならもう少しスムーズに泉京香を追い返す事はできなかったのでしょうかとも思う。

そして西恩先生はスタンド能力、というかギフトを持っているということなんでしょう。いつもならヘブンズドアーで「背景事情」「クセ」「こだわり」「過去」が読めるのでスムーズなのだが今回はそれがない。よって、「生まれつきなのか最近手に入れたのか」「どのように生きてきたのか」「この先どうなりたいのか」「今の願望はなにか」「何が嫌なのか」「何を恐れているのか」そのあたりが読めないから薄い。

バックグラウンドが読めないだけに、「会話が主体の漫画」に執着する理由もよくわからない。唾液の摂取や音媒体を舐めるくらいならともかく、舌の切断とそれを食すというのはある意味狂気的な覚悟がいることだと思うのだが・・・

泉くんを追うシーンもどこか楽しそうで、まだ「人の声を奪うのが趣味」「その声を使って楽しむ」「声をコレクションしている」なんていう吉良やダービー的なサイコさん寄りの設定にした方がピンとくる。

賭けや勝負を持ち込むと泉くんっぽくないし、ホラーよりサスペンス色が強くなってしまうので、「理由のわからない事態に巻き込まれて、とりあえず逃げるしかない」っていうのはホラーとしては正解かもしれないが。

ただ、逃げている泉くんもどこか危機感が足りないというか・・・そのガラス窓なら破れるよ?と思うシーンがあったり。もう少し監禁要素の強い家ならそういうこともないかもしれないがそんなこともなかったし。

ここからは個人的な意見だが、ギフト的な設定にするよりも怪異ものにして兄妹揃って取り憑かれている設定のほうが好みだったかもしれない。ザ・ランの橋本くらいの異常性がいいかな。彼も相当異常ではあるが、あっちは違和感がなくて、こっちには違和感がある。

仕事の時間になったので、行ってきます。続きはまた後で書きます。

タイトルとURLをコピーしました