この話の主役はマァムだ。だがあまり主役感が無い。というか、マァムにはもっとスポットライトが当たってもいいはずなのだが、何故かライトが当たらないのがマァムであり、それがマァムがマァムたる所以なのだろう。
前回のあらすじはこちら
そもそも語源的にマァムっていうのは「ママ」「母性的」ってところからきているのは間違いない。それをまだ10代の少女に押しつけるのも酷な話ではあるし、少し無理があるようにも思う。
作中においてモブの少年少女を除けば最年少は間違いなくダイであり(禁呪法で生み出された生命体を除く)、マァムとポップ、レオナあたりはそのちょっと上あたりのポジションに過ぎない。にもかかわらず一つの作品の「女性の象徴」「母性の象徴」を担うというのは結構ハードルが高い気がする。
ざっくりとしたマァムの流れを見ていくと(ネタバレ注意)
・ポップに嫌味を言いながら登場。
- ポップに嫌味を言いながら登場
- クロコダインにそれでも武人かとマジ説教
- 初期のあまりの色気の無い服から一転、生足ミニスカのパンチラ要因に
- ヒュンケルにさらわれる人質ポジション
- ヒュンケルに熱いプレゼン
- ヒュンケルに母性を感じさせる
- 氷魔塔でモズのはやにえにされかける
- 魔弾銃壊れる
- レオナから戦力外通告を受け、武闘家になるべく修行
- 武闘家として合流
- 影が薄くなる
- ヒュンケルを立ち直らせる要因としてのポジション確立
- えいみさんの告白により動揺
- ポップから告られる
こうしてみても作中ではかなり心にのしかかるエピソードが多いキャラではある。
とくにちょいちょい悪の道に帰ろうとするヒュンケルを止める要因として欠かせない人物である。ヒュンケルはもう少しクロコダインの言うことを聞きなさいと言いたい。
都会っ子で多感な十代を送ってきたならともかく、同世代がほぼいないんじゃ無いかと思われる村出身のマァムにとってはなかなか酷なことではある。とくに恋愛関係だ。中学生ぐらいの頃を思い返してみるとわかるだろうが、恋愛にのめり込んで他のことをおざなりにしまくってるやつがいる一方で、まるで恋愛に興味の無い部活女子みたいなのがいたと思うのだが、あんな感じに近いと思う。ただし、体はしっかり発達してたりするので同世代の男子からはそういう目で見られてしまうという運命を背負っている。
(作中最も僕らの感覚に近いのはポップとマトリフである。)
登場人物はみんな何かで悩み、それを乗り越えるのがこの作品の面白いところである。武闘家転向も悪くはなかったが、このタイミングを機にダイの大冒険が「物理攻撃主義」に舵をきったといっても過言ではなかった。ポップ以外のほぼ全員が力技で戦うという展開になる。個人的には闘気で戦うクロコダインのおっさんは、もう少し活躍させて欲しかったけれども。
作中におけるマァムの最も重要な役割は、ポップのモチベーションアップとヒュンケルの更生である。
もはや母性っていうより女教師っていうか生活指導の先生みたいだな・・
個人的には思いきってヒュンケルと同い年くらいの設定になっていて、ポップが年上のお姉さんに憧れるという展開でも面白かったかもしれないなと思う。
よく議論になることではあるが、マァムももう少しお父さんがいない(村にはいない。単身赴任中なのか死んだのかは不明)理由なんかをもう少し掘り下げれば味わいと深みが増したんじゃないだろうか。とりあえずこの先漫画版ではたくさん出てきたお色気シーンがアニメ版ではどう変わっているかを見るのが楽しみである。
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